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竹國先生のコラム

小麦と健康に関する2冊の本

今回、健康関連の本を2冊紹介します。

『小麦は食べるな!』 Dr.ウィリアム・デイビス著
『ジョコビッチの生まれ変わる食事』 ノバク・ジョコビッチ著

これらの本はいずれも、小麦が体に危険!という「ほんまでっか!」的な事が書かれており、大変ショッキングな内容でした。

『小麦は食べるな!』 Dr.ウィリアム・デイビス著

 小麦といえば、パンや麺類、揚げ物の衣、醤油などの調味料だけでなく、添加物として医薬品等様々な物の中に含まれています。日常的に我々が口にする小麦ですが、『小麦は食べるな』の著者によれば、小麦アレルギーのある人だけでなく、小麦はすべての人間に合っていない食べ物だとし、元々人間に合っていないこの食べ物がここ数十年で毒性がパワーアップし多くの人に健康被害をもたらしていると断言しています。

 小麦粉の成分を表にしてみました。

小麦粉の成分

 小麦粉はざっくり言って7割がでんぷん、1割がタンパク質です。
 でんぷんはブドウ糖同志がたくさん結合したもので、結合の仕方からアミロペクチンとアミロースに大きく分けられ、アミロペクチンがさらに3つに分類されます。
 タンパク質は、不溶性のグルテンとその他のタンパク質に分類されます。グルテンはさらにグリアジンとグルテニンに分けられます。

 以下、『小麦は食べるな』で書かれている、小麦がどのように体に害を及ぼすか「悪の本質」について整理してみました。

  1. 脳に入って作用する

     グルルテンの消化過程でできるポリペプチドの一部は脳血液関門を通過し、モルヒネ受容体と結合する。
     ポリペプチドとは、タンパク質を「家」とすると、ポリペプチドは「床」「窓」「ユニットバス」などに相当します。脳の血管内皮は、脳内に変な物質が侵入しないように特別仕様に出来ているため、限られた物質しか血管壁を通過して脳内に入ることは出来ないが、グルテンの消化過程でできるポリペプチドは脳内に入ってしまう。そして、禁断症状から精神病・幻覚まで、神経系に起きる特殊な現象に関わっている。

  2. 内臓脂肪がたまりやすい

     小麦のでんぷんにはアミロペクチンAが多く含まれており、アミロペクチンAは他のアミロペクチンやアミロースよりブドウ糖へ分解されやすく、血糖値が急激に上昇する。砂糖など精製された糖質は血糖値が上がりやすいが、小麦は砂糖よりもさらに血糖値が急激に上がりやすい。
     血糖値が急激に上昇するとインスリンが多く分泌される。インスリンは糖を内臓脂肪として蓄えるホルモンなので血糖値が急上昇する食品は「太りやすい食品」である。

  3. 小麦グルテンは腸を破壊する

     グルテンのグリアジンタンパク質は間接的に腸壁のバリア機能を破壊し、血液中に入っては困るものを血液内に取り込む。このことが、下痢・腹痛など消化管の病気だけでなく、様々なアレルギー性疾患、自己免疫疾患に繋がっている。

 実際、小麦を摂るのをやめることで改善または完全に消える症状、リスクが軽減する疾患として様々なものが挙げられています。

統合失調症・自閉症・ADHD
(内臓脂肪減少により)糖尿病・心臓病・高血圧・認知症・リウマチ性関節炎・結腸ガン・乳ガン・男性の女性化乳房
皮膚炎・口内炎・ニキビ・薄毛
セリアック病関連疾患(下痢・過敏性腸症候群・胃酸逆流・疱疹状皮膚炎・肝疾患・自己免疫性疾患・小脳性運動失調・末梢神経障害・栄養失調)

 上記症状疾患を見て、何か共通点はありませんか?

  • ここ数十年で増えてきている。
  • 医者へ行っても原因不明、あるいは年のせいにされる。

ではないでしょうか?

なぜ、ここ数十年で増えてきたこのような症状が小麦と関係あるのでしょうか?

著者は、ここ数十年で増えてきた理由として二つの事をあげています。

  1. 約50年前、品種改良技術が向上し、何千種という遺伝子操作された小麦が誕生。その中で非常に生産性が高い「矮性小麦」が世界中で栽培されるようになった。 「矮性小麦」は元来人間が食べてきた小麦とは異なる構造を持ったタンパク質や酵素などを多く持っている。
  2. 1985年 アメリカの国立心肺血液研究所が、全米コレステロール教育プログラムで「脂肪を減らし、コレステロールの摂取量を減らしてその分を炭水化物のカロリーにしましょう」と提言。その結果、小麦の全粒粉が健康の象徴となり小麦の摂取量が増えた。

 かなり説得力があると思いませんか?この著書『小麦は食べるな』は小麦が主食である北米でかなり反響があり、日本ではあまり見かけませんが、海外のレストランではメニュー表にGF(グルテンフリー)と記載されている所が多くなったと聞きます。
 品種改良という遺伝子操作についてですが、恩恵ばかりがクローズアップされ問題についてはあまり話題になっていませんね。私自身、品種改良ぐらい大丈夫だろうと思っていたのですが、この本を読んでそう楽観的に見ていてはいけないものだと感じました。