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ブログ&コラム
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2023.12.15

矯正歯科装置は患者様側の要因によって選択・決定できる。

矯正歯科治療には様々な治療方法と治療器具・装置があります。さらに最近新しい装置が工夫され開発されてきています。

装置を大きく分けると可撤式(かてつしき=患者さんご本人で取り外しが可能なものです)と固定式(患者さんご自身では取り外せないもの)になります。

ご質問のワイヤを付けないで治療となると可撤式のものの仲間になると思います。

固定式の代表的なものが歯の表面にブラケットという装置を特殊な接着剤で装着し、それにワイヤを接続して治療をおこなう「マルチ・ブラケット法」になります。

もちろんそれぞれに特徴があるのですが、最近新しいタイプのものも出来てきたとはいえ、一般的に可撤式のものは治療の効果や効率の面からは、限定的な矯正歯科装置であるといえます。

治療を行うに際して、どのような治療器具・装置を使用するかは、患者さんの不正咬合(お口の中の噛み合わせや歯並び)の状態や程度、さらには患者さんの口腔清掃状態(お口の中の清掃状態、ハミガキがしっかりとできるかどうか)や装置の管理(年齢の低い子供では管理が難しいタイプの装置もあります)などの要因を考慮して選択されます。

すなわち、ご質問のワイヤを付けないで治療をできるかどうかは、患者さんの状況によって異なりますので、かかりつけの歯科医院か専門の先生にご相談されるとよいと思います。

いずれにしても矯正歯科装置は、先に述べたような様々な要因を考慮した上で、どのタイプの矯正装置がその患者さんの治療に最も適しているのか、といった観点から選択されるべきものといえると思います。

大阪府歯科医師会学術部常任部員 垣内 康弘
からだ相談室Q&A 毎日新聞 2009/01/30 掲載