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2024.11.29

新たな麻酔薬、セプトカイン(アルチカイン)の導入へ

こんにちは。
大阪市福島区、野田阪神のかきうち歯科矯正歯科です。

厚生労働省から2024年9月24日付けで、「セプトカイン配合注カートリッジ」が製造販売承認されました(麻酔成分の一般名はアルチカイン)

この麻酔薬、
実は海外では日本で最も流通しているリドカイン製剤に次いで、
2番目に多く使用されている麻酔薬なのですが、今まで日本では認可されておりませんでした。
特に危険というわけでなく、認可申請、承認までの行程に時間がかかっていたものと思われます。

この度、私が学生時代に直接実験の指導も受けお世話になりました、
岡山大学の宮脇卓也教授の長期に及ぶ臨床試験の結果、ついに承認されました。

日本で使う歯科麻酔薬は、この20年間全く変わってなかったため、
新たな選択肢ができたことは非常にありがたく、
今後、国内の歯科麻酔薬の使用状況は大きく変化しそうです。

セプトカイン配合注(アルチカイン)の特徴

新たに認可されたセプトカイン。どのようなメリットがあり、逆に注意点があるのか、列挙してみます。

①体内に蓄積しにくい

セプトカインの最大の長所になると思われます。

局所で作用した後に速やかに麻酔効果のない代謝物となり排出されるため、麻酔成分が全身的に作用するリスクが低いとされています。

また、肝臓のみならず血中の非特異的エステラーぜによっても代謝され、肝機能の低下がある方、高齢者の麻酔の際は第一選択となりそうです。

②効果時間は1〜2時間

アルチカイン単独では効果は現在のリドカイン製剤より短いと言えます。
ただ、セプトカイン配合注にはアドレナリンも添加されているため、実際には2〜3時間と予想されます。

③汎用性が高い

一般診療はもちろん、外科手術にも使用できます。
特定の場面のみの使用ではないのは、頻用でき管理しやすくなります。

現在の麻酔薬

現在、日本で認可されている麻酔薬をまとめてみます。

リドカイン(Lidocaine)
日本で最も多く使用されている局所麻酔薬です。
商品名でキシロカインまたはオーラ注という名称で馴染みがあります
麻酔効果の発現が早く、持続時間も1~2時間で歯科治療で頻用されます。
麻酔薬自体にはアレルギー反応も少ないため、安全性と信頼性が高いのも特徴です。

メピバカイン(Mepivacaine)

効果の持続時間は約1時間とやや短い傾向にあります。
アドレナリンが添加されておらず、防腐剤が入っていないので、リドカインが使用できない患者さんに使います。
商品名はスキャンドネストです。

プロピトカイン(Prilocaine)
シタネストの商品名で知られており、当院でも使用しています。
効果などはメピバカインと類似しています。

ブピバカイン(Bupivacaine)

効果が持続する時間が長く、最大4時間近く効能が持続します。
長時間の麻酔が必要な場合に使用されることがあります。

セプトカイン配合注にはアドレナリン添加がされていますので、使用場面は上記の中ですとリドカイン製剤との比較となると思います。

まとめ

当院では現在、キシロカインとシタネストを使用していますが、セプトカインについては選択肢が広がるため、導入予定です。

麻酔薬一つにしても、患者様にとって安全かつ最善の選択ができるように準備させていただきます。
できるだけ痛みの少ない麻酔・治療を心がけておりますので、
治療に怖いイメージをお持ちの方は、かきうち歯科矯正歯科に是非一度ご相談ください。

監修者情報

院長 垣内 優一

歯の治療と聞くと、「苦手」や「不安」を感じる方も多いと思います。
大阪市福島区・野田阪神の「かきうち歯科矯正歯科」では、そうした気持ちを少しでも和らげるため、患者さまとしっかりとコミュニケーションを取り、一人ひとりに根拠ある適した治療を提供することを心がけています。
5年後、10年後にも「ここで治療を受けて良かった」と思っていただけるよう、日々研鑽を積みながら、皆さまとともに歩んでいきたいと考えています。

経歴

  • 大阪府枚方市出身
  • 日本矯正歯科学会 認定医
  • 日本口腔インプラント学会 専修医