子どもの乳歯が抜けない!永久歯が生えてきたときは歯医者で抜くべき?
こんにちは。
大阪市福島区、野田阪神の歯科医院、かきうち歯科矯正歯科です。
「乳歯がまだ抜けていないのに、後ろから大人の歯が生えてきた!」
お子さんのお口を見て、驚かれる保護者の方は少なくありません。
特に6歳前後になると、
- 乳歯が抜けない
- 乳歯の後ろから永久歯が生えてきた
- 前歯が二重になっている
- 反対側は抜けたのに、片方だけ乳歯が残っている
といったご相談が増えてきます。
「このまま放っておくと歯並びが悪くなるのでは?」
「早く乳歯を抜いたほうがいい?」
と心配になるかもしれません。
実は、「永久歯が後ろから生えてきた=すぐ乳歯を抜く」ではありません。
当院では、乳歯がグラグラしているかだけではなく、永久歯の生えている位置、乳歯の根の状態、永久歯が並ぶスペース、左右の生え変わりの差なども確認しながら判断します。
今回は、子どもの乳歯が抜けないまま永久歯が生えてきたときの原因と、ご家庭でチェックしていただきたいポイントについて解説します。

乳歯の後ろから永久歯が生えてきた!これって異常?
結論からいうと、珍しいことではありません。
特によく見られるのが、下の前歯です。
通常、永久歯が生えてくると乳歯の根が少しずつ吸収されます。
根が短くなることで乳歯がグラグラし、自然に抜けて、そのあと永久歯が生えてきます。
ところが、永久歯が乳歯の真下ではなく、少し内側(舌側)にずれて生えてくると、乳歯の根が十分に吸収されないことがあります。
すると、
乳歯が残っている ↓ その後ろから永久歯が出てくる ↓ 歯が二列に並んで見える
という状態になります。
見た目には驚きますが、これだけで「異常」「将来必ず歯並びが悪くなる」と判断することはできません。
実はここが大切。「二重になっているか」だけを見ているわけではありません
診療で大切なのは、単に
「永久歯が後ろから出てきたかどうか」
だけではありません。
当院では、例えば次のような点を確認します。
① 乳歯はどのくらいグラグラしている?
永久歯が見えていても、乳歯がかなりグラグラしているのであれば、近いうちに自然に抜ける可能性があります。
反対に、
永久歯がかなり生えているのに、乳歯がほとんど動かない
場合は、一度確認しておいたほうがよいでしょう。
② 永久歯はどの方向から生えている?
永久歯が少し内側から出ている程度なのか、それとも大きくずれた位置から生えているのかも重要です。
永久歯の萌出方向によっては、必要に応じてレントゲンで位置を確認することもあります。
③ 永久歯が並ぶ「場所」はある?
ここは意外と重要なポイントです。
乳歯が抜ければ永久歯がきれいに並びそうなのか、それともそもそも永久歯が入るスペースが不足しているのかによって、その後の見方が変わります。
「乳歯を抜けばすべて解決する」とは限らないのです。
④ 反対側の歯はどうなっている?
私たちが意外とよく見るのが、左右差です。
例えば、
「右側の乳歯は数か月前に抜けて永久歯も生えているのに、左側だけ乳歯がしっかり残っている」
という場合です。
もちろん生え変わりには個人差がありますが、左右で大きな差がある場合には、永久歯の位置や状態を確認したほうがよいケースもあります。
「乳歯を抜けば、後ろの永久歯は前に出てくる?」
これは診療室でもよく聞かれる質問です。
下の前歯では、乳歯が抜けてスペースができると、内側から生えてきた永久歯が舌に押されながら少しずつ前方へ移動してくることがあります。
そのため、
「後ろから永久歯が生えてきた=この位置で一生決まってしまう」
わけではありません。
ここは保護者の方にぜひ知っていただきたいポイントです。
ただし、永久歯が並ぶスペースそのものが不足している場合には話が異なります。
乳歯が抜けても永久歯が並ぶ場所がなければ、歯の重なりが残る可能性があります。
だからこそ当院では、「今、二重になっている」という一点だけではなく、これから永久歯が並んでいくためのスペースまで含めて確認することを大切にしています。
乳歯は歯医者で抜いたほうがいい?
すべての乳歯をすぐに抜く必要はありません。
かなりグラグラしていて、自然に抜けそうであれば経過を見ることもあります。
一方、
- 永久歯がかなり生えているのに乳歯が残っている
- 乳歯がほとんどグラグラしていない
- 永久歯が大きくずれた場所から生えている
- 永久歯が並ぶスペースが少ない
- 左右の生え変わりに大きな差がある
- 痛みや歯ぐきの腫れがある
といった場合には、歯科医院で確認することをおすすめします。
必要であればレントゲン撮影を行い、永久歯の位置や乳歯の根の状態などを確認したうえで、抜歯するか経過を見るかを判断します。
「まだ抜けない」より「生えてこない」に注意することも
もう一つ知っておいていただきたいのが、
乳歯は抜けたのに、永久歯がなかなか生えてこない
というケースです。
生え変わりには個人差があるため、すぐに問題があるとは限りません。
しかし、
「反対側はとっくに生えているのに、片方だけ生えてこない」
という場合には一度確認しておくと安心です。
永久歯の生えてくる方向がずれていたり、途中で萌出が妨げられていたり、まれに永久歯がもともと存在しない「先天性欠如」がみられたりすることもあります。
必要に応じてレントゲンを撮影すると、永久歯があるか、どこにあるかを確認できます。
ご家庭でできる「生え変わり4点チェック」
お子さんの歯を見て「歯医者に行ったほうがいいのかな?」と思ったら、次の4つを見てみてください。
① 乳歯はグラグラしている?
② 永久歯はどのくらい見えている?
③ 反対側の同じ歯はもう生え変わっている?
④ 永久歯が入るスペースはありそう?
この4点を定期的に見ておくだけでも、生え変わりの変化に気づきやすくなります。
スマートフォンでお口の写真を撮っておき、1〜2か月前の状態と比べてみるのもおすすめです。

乳歯がグラグラしていても、無理に抜かなくて大丈夫
昔は、
「糸を結んで引っ張って抜いた」
という話もありましたが、まだ根が残っている乳歯を無理に抜く必要はありません。
無理に引っ張ると、痛みや出血につながることがあります。
食事中や歯磨き中に自然に抜けるくらいグラグラしているのであれば、そのまま経過を見ることもできます。
一方で、
「抜けそうで抜けない状態が続いて食事がしにくい」 「永久歯がかなり出てきた」 「歯ぐきが痛い」
という場合は、歯科医院へご相談ください。
子どもの歯は「今」だけでなく「次にどう生え変わるか」を見ることが大切です
子どものお口は、乳歯から永久歯へと大きく変化していきます。
そのため、当院では一本の歯だけを見るのではなく、
「次にどの歯が抜けるのか」 「永久歯はどこから生えてくるのか」 「永久歯が並ぶスペースはあるのか」
といった、これからのお口の変化も考えながら診察することを大切にしています。
永久歯が後ろから生えているのを見つけても、慌てる必要はありません。
ただ、
「これは自然に抜けるのを待っていいのかな?」
と迷ったときこそ、一度確認するよいタイミングです。
まとめ|永久歯が後ろから生えてきても、まずは状態を確認しましょう
乳歯が抜ける前に永久歯が後ろから生えてくることは、特に下の前歯では珍しくありません。
そして、二重に生えているからといって、必ずすぐ乳歯を抜かなければならないわけでも、将来必ず歯並びが悪くなるわけでもありません。
大切なのは、
「乳歯の状態」+「永久歯の位置」+「生えるスペース」+「左右差」
を合わせて見ることです。
お子さんの乳歯が抜けない、永久歯が後ろから生えてきた、永久歯がなかなか生えてこないなど、歯の生え変わりについて気になることがありましたら、お気軽にご相談ください。
院長 垣内 優一
経歴
- 大阪市福島区出身
- 日本矯正歯科学会 認定医
- 日本口腔インプラント学会 専修医