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2023.04.15
歯並びの話「矯正」
歯科矯正治療は、新しい材料、技術の開発によって長足の進歩を遂げてきました。しかし、歯の動くスピードには限界もありますので、治療にはある程度の期間がかかります。また、歯だけを動かすのではなく、顎(あご)まで動かせたりできるようになっており、より正しい噛み合わせに近付けるようになっています。
歯は上顎、下顎という骨の上にのっているものですから、その土台となっている骨の位置や大きさにズレがあると、上下各々の歯並びがどんなにきれいでも正しい噛み合わせは得られません。すなわち、上と下の顎の正しい関係を獲得する必要があります。
治療を受けられる方の年齢によって、その方法は変わってきます。成長期にある子供の場合は、顎の成長、発育を正しい方向へ導きながら、歯を正しい位置に移動させていくのが、通常の治療です。この場合、子供の噛み合わせや顎の状態で、最も適切な治療の開始時期は変わってきます。大人の治療の場合は、すでに成長は止まり、顎の骨の形も完成されています。この点が子供の場合と大きく異なります。手術によって、上下の顎の正しい関係を獲得しようとする場合も最近ではめずらしくありません。大人の場合は、基本的には、歯を支える骨や歯ぐきの状態がしっかりしていれば、いつからでも治療をスタートできます。
歯並びや噛み合わせが気になる場合には、かかりつけの歯科医や矯正専門の歯科医にご相談ください。
大阪府歯科医師会学術部 垣内 康弘
歯の健康アラカルト 毎日新聞 2006/02/08 掲載
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歯並びが悪い「不正咬合」
監修者情報
院長 垣内 優一
経歴
- 大阪府枚方市出身
- 日本矯正歯科学会 認定医
- 日本口腔インプラント学会 専修医