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2023.02.15

生まれつき歯が足らない場合の治療

先天欠如

歯が生まれつき足らないことを歯の先天欠如と呼びます。ひと口に歯の数が足らないといっても、いろいろな可能性があります。何本不足しているのか、どの場所の歯が足らないのか。その状況によって、これからとるべき方針が変わってくると考えられます。

それではなぜ歯が足らないということが起こるのでしょうか。歯の先天欠如はあごの中で歯が作られるべき初期の段階における障害のために起こるといわれていますが、全部の歯が無いといった場合などを除いて、その原因ははっきりわかっていません。それでは、足らないところに対する処置としてどのようなことが考えられるでしょうか。

  1. 乳歯を残しておく
  2. 足らないところを人工的なもので補う
  3. 残りの永久歯をうまく誘導して足らない部分のすきまを補う(矯正歯科治療)
  4. 歯の先天欠如の数が多い場合、(2)と(3)を組み合わせる

――などが挙げられます。

乳歯はその大きさや根の形から長く安定しているとはいえません。しかし、場所によっては、比較的乳歯が長く残る場合もあります。ただ、かみ合わせは、理想的なものにはなりません。足らないところを人工的なもので補う、たとえば、ブリッジや最近ではインプラントなどが考えられます。ただ、最終的な処置は成長が完了する10代後半まで待つ方が良いと思います。他の存在する歯やあごの状況などを総合的に判断し、歯の足らない状況による悪影響をできる限り少なくするために、矯正歯科治療を行なうかあるいは矯正歯科治療と人工的なものを補う処置を組み合わせるといった方法が最も良いと思われます。

これからのことについては、かかりつけの先生あるいは専門医に将来的な見通しも含め相談されるのが良いと考えます。

大阪府歯科医師会 垣内康弘
からだの相談室Q&A 毎日新聞 2005/09/01掲載